ご挨拶
このたび、第30回日本行動医学会学術総会の会長のご指名をいただき、令和5年12月2日(土)、3日(日)の2日間にわたり、対面で開催させていただくことになりました。
行動医学とは、社会文化、心理社会、行動、生物医学に関する知識と技術を集積統合した学際的な学問です。行動医学の知識と技術は、健康や疾病の理解だけでなく、疾病の予防、健康の促進、病因の解明、診断、治療、リハビリテーションにも役立てられています。
行動医学が、対人支援の実践の現場にも、公衆衛生の取り組みの中にも貢献してきたこと、そのさらなる発展が期待されていることを踏まえて、今回の学会テーマを「人に寄り添い、社会を前へ」とさせていただきました。
特別講演では、公衆衛生・社会疫学の専門家として大変ご高名な千葉大学予防医学センターの近藤克則先生をお招きし、健康格差対策に関する研究・実践についてお話しいただき、私たちの社会を前に進めるためのヒントを参加者のみなさまと一緒に考えたいと思います。教育講演では、東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野の奥原剛先生をお招きし、行動変容のためのヘルスコミュニケーションについて学ぶとともに、人に寄り添いながら行動医学を活かす方策について考えたいと思います。
この他にも、近年ますます重要性が広く認識されてきている社会実装や周産期メンタルヘルスをテーマとしたシンポジウム、教育研究委員会企画や将来構想委員会企画のシンポジウム・ワークショップ等を準備しています。また、今回も一般演題(口演・ポスター)の中から優秀演題賞を選出させていただく予定です。さらに、日程のご都合の合わない方々のために、メイン会場のプログラムに関しては、参加登録いただいた方々にオンデマンドで後日配信させていただく予定です。
日本行動医学会の会員の方々はもちろんのこと、行動医学や上記のプログラムにご関心を持たれた多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げております。
第30回日本行動医学会学術総会
会長 西 大輔
(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野教授)